2008.12.24 Wed
“芝2400mマイスター” サイレントグリーン引退特集 (3)
■長いトンネル、そして復活
飛ぶ鳥を落とす勢いだった2年間のあとにやって来たのは、長い長い未勝利のトンネルだった。
2006年シーズン。開幕後のダート戦を無難にこなし、満を持して挑んだ芝2400m戦・かきつばた賞。ここでサイレントグリーンは3着に敗れた。
2年間一度も負けたことがない2400mで、下のクラスから上がってきたばかりの馬の後塵を拝するという、二重に悔しい敗戦だった。
サイレントグリーンは、この年ついに1勝も挙げられずに終わる。
芝では決して悪いレースはしていなかった。シーズン中に4度挑んだ盛岡芝で【0-2-1-1】。桂樹杯はタイム差無しの2着だったし、最も離されたOROカップでも0.4秒差の4着。芝適性・盛岡適性の高さは十分に発揮しているし、これだけの安定度は並の馬にはとても期待できない。彼だからこそ、の成績だろう。
ただ、そこまでの成績が華々しすぎた。「勝って当然」という期待の反動が、余計に“負けた感”を強くしてしまったのは否めない。また、ジェーピーバトル一頭に負け続けたのも「主役交代」という印象を強くしてしまった。
だが、サイレントグリーンはこれでは終わらなかった。2007年のかきつばた賞、2着馬を6馬身ぶっちぎる圧勝で復活V、続くせきれい賞も完勝し、2年ぶりの重賞制覇を果たした。
秋にはパンジー賞も勝ち、この年は芝2400mで3連勝。最後のきんもくせい賞こそ敗れたが、ゴール寸前まで勝ち馬を脅かし続けた走りには、ありきたりな表現だが“負けてなお強し”の迫力が溢れていた。
斜陽は、確かに訪れていた。2007年、2400mでは強さを発揮したが、マイル・1700mでは最高で4着・タイム差で0.8秒差。
いや、マイルや1700mを3度走って掲示板を外していないのだから十分に立派なのだが、絶頂期の04年・05年は各年2度ずつ走って【0-3-1-0】、タイム差は最高で0.2秒。不振と思われていた06年ですらOROカップの4着・0.4秒差が「最悪」の成績。
それに比べて07年。あじさい賞は5着・0.9秒差、桂樹杯4着・0.8秒差。OROカップでは5着・1.5秒差で、勝ったコスモバルクを別格としても、2着ボスアミーゴから0.9秒差に終わっている。
競走馬としてのサイレントグリーンがキャリアを締めくくるべき時に向かいつつあるのは、明らかだった。
飛ぶ鳥を落とす勢いだった2年間のあとにやって来たのは、長い長い未勝利のトンネルだった。
2006年シーズン。開幕後のダート戦を無難にこなし、満を持して挑んだ芝2400m戦・かきつばた賞。ここでサイレントグリーンは3着に敗れた。
2年間一度も負けたことがない2400mで、下のクラスから上がってきたばかりの馬の後塵を拝するという、二重に悔しい敗戦だった。
サイレントグリーンは、この年ついに1勝も挙げられずに終わる。
芝では決して悪いレースはしていなかった。シーズン中に4度挑んだ盛岡芝で【0-2-1-1】。桂樹杯はタイム差無しの2着だったし、最も離されたOROカップでも0.4秒差の4着。芝適性・盛岡適性の高さは十分に発揮しているし、これだけの安定度は並の馬にはとても期待できない。彼だからこそ、の成績だろう。
ただ、そこまでの成績が華々しすぎた。「勝って当然」という期待の反動が、余計に“負けた感”を強くしてしまったのは否めない。また、ジェーピーバトル一頭に負け続けたのも「主役交代」という印象を強くしてしまった。
だが、サイレントグリーンはこれでは終わらなかった。2007年のかきつばた賞、2着馬を6馬身ぶっちぎる圧勝で復活V、続くせきれい賞も完勝し、2年ぶりの重賞制覇を果たした。
秋にはパンジー賞も勝ち、この年は芝2400mで3連勝。最後のきんもくせい賞こそ敗れたが、ゴール寸前まで勝ち馬を脅かし続けた走りには、ありきたりな表現だが“負けてなお強し”の迫力が溢れていた。
斜陽は、確かに訪れていた。2007年、2400mでは強さを発揮したが、マイル・1700mでは最高で4着・タイム差で0.8秒差。
いや、マイルや1700mを3度走って掲示板を外していないのだから十分に立派なのだが、絶頂期の04年・05年は各年2度ずつ走って【0-3-1-0】、タイム差は最高で0.2秒。不振と思われていた06年ですらOROカップの4着・0.4秒差が「最悪」の成績。
それに比べて07年。あじさい賞は5着・0.9秒差、桂樹杯4着・0.8秒差。OROカップでは5着・1.5秒差で、勝ったコスモバルクを別格としても、2着ボスアミーゴから0.9秒差に終わっている。
競走馬としてのサイレントグリーンがキャリアを締めくくるべき時に向かいつつあるのは、明らかだった。
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